応用言語学の論文でよく聞く「Communities of Practice」について調べてみました。

応用言語学関係の論文でよくWengerの「Communities of Practice」という言葉をみかけるます。今自分の手元にある自分専用の文献管理データベースの中の論文でも20本ぐらいに引用されてました。でも、ちゃんと調べたことがなかったので、ちょっと調べてみました。

だいたい引用で使われるのは、下記のLave and Wenger (1991)かWenger (1998)です(下記の表示だと「2000年出版」となってますが、オリジナルは1998年出版です)。

 

  • Lave, Jean, and Etienne Wenger. Situated learning: Legitimate peripheral participation. Cambridge university press, 1991.
  • Wenger, Etienne. Communities of practice: Learning, meaning, and identity. Cambridge university press, 1998.

有難いことに、Wenger自身のホームページにCommunity of Practiceについて簡潔に説明されてました。

上記のウェブページのコミュニティ・オブ・プラクティスの定義は以下のとおりです。

Communities of practice are groups of people who share a concern or a passion for something they do and learn how to do it better as they interact regularly.
あるテーマに関心や情熱を共有している人々の集まりで、定期的に交流することを通して、そのテーマをどうよくしていくかを学んでいくグループ

とでもなるのでしょうか。

同じウェブページで、Wengerはコミュニティ・オブ・プラクティスでは以下の3つを考えなければならないと言っています。

  1. The domain(領域) -コミュニティ・オブ・プラクティスは同じ興味関心を共有していなければならない。
  2. The community (コミュニティ)-その興味関心についてメンバーが共同で活動やディスカッションなどに参加しなければならない。
  3. The practice (実践)-そのグループのメンバーは実践者(practitioners)であり、経験やツール、問題の解決方法などを共有できるリソースを作っていかなければならない。

「何らかの形で社会に働きかけることを目的に集まる、同じ興味関心を持ったグループ」なのかなと思いました。
応用言語学だけじゃなくて、経営学などでも幅広く使われているみたいですね。

日本語ではコミュニティー・オブ・プラクティスとか実践コミュニティとか訳されているみたいです。
「クラス」「会社」「オンラインコミュニティ」などを「コミュニティー・オブ・プラクティス」と捉えることもできるでしょうし、確かに応用の幅が広そうな用語です。

Wenger(1998)は今度読むつもりです。