間主観性(intersubjectivity)に関するGillespie and Cornish (2010)を読みました。

間主観性(intersubjectivity)(詳しくはこちら)に関する以下の論文を読みました。

  • Gillespie, Alex and Cornish, Flora (2010). Intersubjectivity: Towards a dialogical analysis. Journal for the Theory of Social Behaviour, 40. p.19-46.

この2人が書いた別の論文は以下の本にも収録されているようです。

  • Linell, Per, and Ivana Marková, eds. Dialogical Approaches to Trust in Communication. IAP, 2013.

Gillespie and Cornishによると、間主観性を研究するための方法論はあまり発展していないそうで、この論文では間主観性の研究の方法論の先行研究を概観した後、dialogical analysisという分析方法を推奨していました。

間主観性を調べるための従前の方法論としては、①comparative self-report(2人の人に自分・相手について書いてもらい、それがどの程度正確かを調べる)、②observing behaviour(行動観察)、 ③analysing talk(会話分析)、④ ethnographic engagement(エスノグラフィーの手法で様々な角度から観察・データ収集する)の4つを挙げていました。

また、Gillepie and Cornishはdialogism(ダイアロジズム)という概念が間主観性の分析にも有用なのではといっていました。ダイアロジズムは、ヘーゲル、ミード、バフチンに影響を受けた概念で(バフチンについては前回記事①前回記事②)、自己と他者の間で常に交わされるdialogue(対話)に関するものです。例えばバフチンは、何らかのある発話というのは、その前に為された会話、その後に為される発話と密接に結びついていると言っています。

ダイアロジズムの利点としては、対話が幅広い社会、歴史、文化とどう関連しているかというフレームワークを提示してくれることや、「個人」を分析ユニットとするのではなく、コミュニケーションの関係性(communicative relation)を分析ユニットとすることが挙げられるそうです。

ダイアロジズムは発話はどういった対話の流れから生まれ、誰に対して為されたものかなど、個人を超えた視点に注目しています。なので、個人の会話ストラテジーにとどまらず、ある発話の中の社会・歴史・文化的側面に目を向けることができるということだと思います。