研究業績についての備忘録②-著書・編著、本の章はどう評価されるのか

著書

昨日の記事の続きです。研究業績のうち本に関しては著書(単著・共著)編著book chapter(本の一章)に分かれると思います。

著書は単著・共著に分かれ、言うまでもないですが単著は自分一人で書いた本で、共著は複数名で書いた本です。

Professorレベルになると単著を複数冊出している人が多いと思います。

著書の場合は自分で出版社に企画書を出し、それを出版するというプロセスになる場合が多いのかと思います。

もちろん、出版社から「こういう本を出さないか」と相談がある場合もあるかと思います。

 

編著

編著は自分が編者として、いくつかの論文をまとめて本として出版するものです。

編者自身は本の序文(と場合によっては本の中の1章)を執筆することが多いです。

編者の役割は、寄稿者(contributor)を募り、その寄稿者が書いた論文を査読し、寄稿者に修正等の依頼を出し、出版社を探し、出版社とのその後のやりとりをするなどが含まれます。コーディネーター的な仕事でもあるので結構面倒です。

私の経験では、学会を開催した後に、その学会の開催者が何人かの発表者に連絡をとり寄稿者になってもらい、本としてまとめて出版することが多いように思います。

 

Book Chapter(本の一章)

book chapter(本の一章)は、上記のように編者が寄稿者を募った場合、その本の1つのチャプターに寄稿するというものです。編者にもよりますが、何度か書き直しプロセスを経ることもあります。

 

書籍の評価

こういった本は、出版社によって結構評価も変わってきます。

出版社によっては自費出版に近いようなものもあるので、出版社を選ぶときもどの出版社が適切なのか注意が必要です。

 

また、大学にもよると思いますが、一般向けの本は書いたところで、そこまで評価されないところも多いと思います。

また、本の一章(Book Chapter)に寄稿した場合も、匿名での査読制度が機能しないため、「学術論文」としての価値は低くなる場合もあります。

 

まだ読んでいないですが、本の出版のプロセスについては、コロンビア大学出版局の元編集長のウィリアム・ジャマーノ(著)(2012)の「ジャマーノ編集長 学術論文出版のすすめ」というのも出ているようです。

  • ウィリアム, ジャマーノ. ジャマーノ編集長学術論文出版のすすめ. 慶応義塾大学出版会. ,松井貴子訳 2012.