スコッツ語(スコットランド語)の言語政策を芸術関連の公共団体のCreative Scotlandが発表したそうです。

スコットランドといえば、2014年9月には独立の住民投票が実施され(結果は反対が過半数を超えて否決されました)、今年5月7日のイギリス総選挙でスコットランド民族党が大躍進するなどしていますが、そのスコットランドの芸術、映画等の公共団体の「Creative Scotland(クリエイティブ・スコットランド)」が6月3日に「スコット語言語政策」を発表したそうです。

↓Creative Scotlandのウェブサイト(リンクはこちら
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↓スコット語言語政策(PDFのリンクはこちら
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「スコット語言語政策」なだけあって、この表紙でも「SCOTS LEID POLICIE」とスコット語が「SCOTS LANGUAGE POLICY」という英語の上に来ていました。とはいっても、表紙以外は英語が左、スコット語が右と英語の方が先に記載されていました。この言語政策の中で、スコット語(Scots)(スコットランド語)は、ゲール語・英語とともにスコットランドの3つの土着語のうちの1つとされています。

この言語政策の目玉は「Scots Scriever」(スコッツ語ライター)という2015年から2017年の任期2年の新規ポストを設置したことのようです。これはCreative Scotlandとスコットランド国立図書館の共同で設置されたポストのようです。(資金はCreative Scotlandが負担し、スコットランド国立図書館をベースに勤務する仕事だそうです。)

Scots Scrieverの仕事は、スコット語で何かクリエイティブなワークを創出したり、スコットランドの文化団体、コミュニティや学校などと協力してスコット語への意識向上を目指したりすることだそうです。

気になるお給料ですが1年15,000£だそうです。今のレートだと288万円ぐらいですね。高いか安いかは実際の仕事の内容次第かなと思います。

こういった言語政策がスコットランドのその他の政治的動きとどのように連動していくのか(いかないのか)気になるところです。

スコッツ語については最近以下のような本が出版されているようです。

  • 米山優子 (2013). 「ヨーロッパの地域言語〈スコッツ語〉の辞書編纂―『古スコッツ語辞典』の歴史と思想」ひつじ書房