グローバルなリンガフランカとしての英語に関するJuliane Houseの講演を視聴しました。

Juliane Houseはトランスレーション・スタディーズでも有名な学者の一人ですが、彼女のグローバルなリンガフランカとしての英語に関する講演を視聴しました。

  • Juliane House “English as a global lingua franca: a threat to other languages, intercultural communication and translation?”Presented at the 8th Annual International Free Linguistics Conference was held at the School of Foreign Languages, Shanghai Jiao Tong University, 26-27 September 2014.


英語は世界の共通語となりつつあるともいわれていますが、この講演では、リンガフランカとしての英語が他の言語の脅威となるのか、英語はただのコミュニケーションツールであり中立的なものであるのかという議論についての自らの意見を、言語的視点・心理言語的視点・教育的視点などの視点から述べていました。

彼女はリンガフランカとしての英語は「ノンネイティブが不当に不利益を被る」や「英語は第一言語に悪影響を及ぼす」など言われることがありますが、必ずしもそうではないという反証も出ており、また、グローバルなリンガフランカとしての英語の話者自体が基本は多言語話者であることから、グローバルなリンガフランカが多言語主義や翻訳の脅威と考えるのは早計だというようなことを言っていました。

さらに、リンガフランカとしての英語を「言語帝国主義」だといって反発したり、逆に無批判にその利益を受け入れるのではなく、第三の道を探るべきなのではといっていました。

  • House, Juliane. Translation as Communication Across Languages and Cultures. Routledge, 2015.