Inoue (2006)の女ことばについての「Vicarious Language」を読んでいます②

Inoue (2006)の女ことばに関する本(詳しくはこちら)の第3部も読み終わりました。

  • Inoue, Miyako. Vicarious language: Gender and linguistic modernity in Japan. Vol. 11. Univ of California Press, 2006.

第3部は東京のある会社で著者が行ったエスノグラフィック調査についてで、社内の複数の女性の言葉遣いについて分析していました。

まず研究対象としていたのは、管理職のヨシダさんという女性です。彼女は基本的に誰とでも「です/ます体」を遣って話していたそうなのですが、これを彼女の置かれた状況などと絡めて分析していました。また、言葉遊びのようにあえて女ことばを使う女性社員や、「-かしら」といった女ことばを使う地方出身の女性社員の様子なども考察・分析していました。

このブログでは説明できませんでしたが、全体的にジュディス・バトラーをはじめとする学者の理論と絡めながら、女ことばについて分析していて参考になりました。