久しぶりに日本語の小説(黒川博行 『疫病神』 と垣根 涼介『借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉』 )を読みました。

最近は以前に比べてめっきり小説を読まなくなってしまったのですが、先日、久しぶりに日本語の小説を読みました。

  • 黒川博行 『疫病神』 新潮文庫

関西の産業廃棄物処理場建設にむらがる利権を描いた、ハードボイルド(?)小説です。建設コンサルタントの二宮啓之と暴力団二蝶会の桑原とのコンビがトラブルに巻き込まれていくのですが、テンポもよく、謎解きのようなミステリー的要素もあり、エンターテイメントとして楽しめました。

黒川博行は日本の美術業界で繰り広げられる権力争いを描いた本も面白いと評判ですね。

  • 黒川博行 『文福茶釜』 文春文庫

もう1冊読んだのは、以下の本です。

  • 垣根 涼介『借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉』 新潮文庫

シリーズ物の第2作です。主人公の村上真介は、リストラ請負会社に勤め、様々な会社のクビ切りの面接を担当しています。数本の短編で構成されており、各話の主人公はその村上に「クビ切りされる」人たちです。「リストラ」というと暗くなりそうですが、あまり暗くならない筆致で様々な人間模様が描かれていました。

上記の本とはずいぶん毛色の違う作品ですが、随分前に同じ著者の日系ブラジル人を題材にした「ワイルド・ソウル」を読んだことがあり、息をのむ展開で面白かった記憶があります。

  • 垣根 涼介『ワイルド・ソウル』新潮文庫