第二言語習得研究における統計⑫:T-test

統計の自学シリーズです。第12回目の今日も下記の本の第5章を読み、いろいろな統計テストについて学びました(p.131-147) 。

  • Larson-Hall, Jenifer. A guide to doing statistics in second language research using SPSS and R. Routledge, 2015.

 t-test(t検定)

今までの統計テストは変数間の関係性をみるものでしたが、t-testは、関係性ではなく、グループが異なるかどうかをテストするものです。

t-testは、グループ間の差異が統計的に有意差があるものかを調べることができます。

t-testには以下の2つがあります。

  • independent-samples t-test:2つの別のグループの間の差異
  • paired-samples t-test:同じグループだが異なる時期にデータ収集したもの

T-testは以下のような特徴があるそうです(p. 137, p. 138)

independent-samples t-testを使ったSLA研究としては、Hirata (2004)やBoers et al  (2006)などがあるそうです。

Hirata (2004)の研究では、英語話者の日本語学習者が、ピッチと短音・長音についてコンピューターで発音トレーニングを受けた場合、受けなかった学習者と比較してパフォーマンスがよくなるかというのを調べたそうです。

これを調べるため、t-testを使って、トレーニングを受けたグループと受けなかったグループ(カテゴリー変数・独立変数)との間に、このグループが別のものであると言えるぐらいの差異があるかを調べたようです。

 

Paired-samples t-testを使ったSLA研究としては、Macaro and Masterman (2006)やHirata (2004)があるそうです。

同じHirata (2004)の研究では、英語話者の日本語学習者が、ピッチと短音・長音についてコンピューターで発音トレーニングを受けた場合、トレーニング前後で変化があるかというのも調べたそうです。

この場合、トレーニング前後という時間軸は2回ですが、同じ人がテストを受けているので、paired-samples t-testとなります。

過去のシリーズです。