Ungerer, F.& Schmid(1996)の認知言語学の入門書を読んでいます②

昨日の続きです。1章~3章まで読みました。昨日に書いたとおり、1章~3章はExperiential viewというアプローチで、文や言葉を理解し、産出する際にどういう認知プロセスを経ているのかを検討しています。

  • Ungerer, F., & Schmid, H. J. (1996). An introduction to cognitive linguistics. Routledge.

認知言語学では、言語の差異に関わらず、人間の普遍的な認知プロセスを探る学問のようです。「普遍性」の例として挙げられていたのが色です。どの言語でも、「白」「赤」「黒」などの基本色を表す言葉があるようで、人間の認識する色というのは言語の差異に関わらず、普遍性があると言われています。

1章では、Eleanor Roschのプロトタイプとカテゴリー化の理論にも触れていました。Roschまでは、「鳥」というカテゴリーは、「空を飛ぶ」「羽根がある」などの条件を満たすから「鳥」とみなすと考えるのが主流だったようです。
Roschの革命的だったところは、人はカテゴリー化するときに、プロトタイプという典型的な事例を中心に、その事例とどのくらい形・特性等が似ているかという基準でもってカテゴリー化していると提唱したことです。

つまり、「鳥」の典型的な例(プロトタイプ)として「すずめ」があるとすると、この「すずめ」にどのくらい似ているかでもって、人はカテゴリー化していくということです。ペンギンなど、プロトタイプから離れた周辺的な例だと、ちょっと判断に迷うということになります。

また、第2章では、「犬」「うさぎ」などの「ベーシックなレベル」のカテゴリーが、「動物」などの上位カテゴリーや、「柴犬」「ブルドッグ」などの下位カテゴリーよりも認知上重要な役割を示すともいっていました。

第3章は、前も少し紹介した概念メタファー(詳しくはこちら)の話が主で、概念メタファーがいかに認知上で重要な役割を果たすかを述べていました。

ちなみに下記は認知言語学では必読書となっているLakoff and Johnsonの本です。実は恥ずかしながらまだ原文を読んだことがありません・・・。

  • Lakoff, G., & Johnson, M. (1980). Metaphors we live by. 1980. Chicago: University of Chicago Press.