CanagarajahのTranslingual Practice (2012)を読みました。

Canagarajahについてはこのブログでも何度か紹介しています(詳しくはこちら)が、今回は以下の本を読みました。

  • Canagarajah, Suresh. Translingual practice: Global Englishes and cosmopolitan relations. Routledge, 2012.

Translingual practiceというのは、言語A、言語Bといった言語の境界線にとどまらず、様々な言語・変種を取り入れて使うことで、多言語話者なら日々行っていることと言われています。Translanguagingの概念に近い考えだと思います(詳しくはこちら

この本では、translingual practiceの理論化、実際のtranslingual practiceの例、言語教育などについて論じていました。

第5章で「translingual negotiation strategies」という題で、多言語話者が会話をし、聞き手と意味を構築する際のストラテジーについて紹介していたので、ざっくりとした理解ですが私が理解した範囲でメモしておきます。詳しくは原文をご覧ください。(p. 80)

  • Envoicing - コードスイッチングなどをして、自らのアイデンティティや位置づけを言語を通して示すこと
  • Recontextualization (再コンテクスト化) -文化・社会背景の違う者と話すときには、どういった形で何をどの程度話すのかということを常に意識して調整していく必要があり、自ら・相手との共通の基盤を作り上げていくこと
  • Interactional strategies (対話ストラテジー) -対話を通して意味を交渉し、アイデンティティーを構築していくこと
  • Entextualization(テキスト化) - 話者が相手に理解できるような形で文を作り上げていくこと。