女ことばに関するOkamoto (2004)の寄稿文を読みました。

この前の記事でも紹介した以下の本を読み進めています。

  • Okamoto, S., & Smith, J. S. S. (Eds.). (2004). Japanese language, gender, and ideology: Cultural models and real people. Oxford University Press.

今回は、Okamotoが寄稿した章を読みました。Okamotoについてはこのブログでも何度か紹介しています(詳しくは前回記事①前回記事②)。ポライトネス(特に敬語・女ことば)関係で幅広く執筆しています。

  • Okamoto, S. (2004). Ideology in linguistic practice and analysis: Gender and politeness in Japanese revisited. Japanese language, gender, and ideology: Cultural models and real people, 38-56.

女性は(男性より)丁寧に話すべきと言われることが多く、女ことばと丁寧さ(敬語)が結び付けられて話されることが多いのですが、これに対してOkamotoは以下の3点を指摘しています(ざっくりとした理解ですが・・・)。

  1.  女ことばを語るときに、「女性」が同じ属性を持ち、同じように話すと仮定しているが、女性も年齢や社会的地位など多様であり、場面により話し方も異なる。
  2. 敬語やその他の丁寧表現・間接表現を使ったからといって必ずしも「丁寧さ」を示すわけではなく、敬語表現・丁寧表現等がどう解釈されるかは文脈によって異なる。
  3. 敬語やその他の丁寧表現・間接表現を使って丁寧に話したからといって、「女性らしさ」につながるわけではなく、その表現がどう解釈されるかも、話し手・聞き手の評価基準によって異なる。