選択体系機能言語学(Systemic functional linguistics(SFL))についての入門①

少しSFLについての説明をしました。SFLについては昔勉強したのですが、最近すっかり忘れかけているので自分の備忘録もかねて、もう一度勉強してみようと思っています。

Systemic functional linguistics(SFL)の参考文献

参考にしているのは以下の本です。

  • Halliday, Michael,  and Christian Matthiessen. An introduction to functional grammar. Routledge, 2014.

 

もちろん、それだけでなく、この前の紹介記事でも記載した、以下の入門書も参考にしています。

  • Eggins, Suzanne. Introduction to systemic functional linguistics. A&C Black, 2004.

 

Systemic functional linguistics(SFL)の特徴

この前の記事でも紹介しましたが、選択体系機能言語学(SFL)はMichael Hallidayを中心に発展した言語理論です。

特徴としては以下のようなものがあります。

  • 言語体系そのものだけでなく、言語が使われている社会的状況などにも注目している。
    言語とその言語が使用される社会的状況(context)は不可分なものだと考えており、言語の社会的機能にも注目した理論です。また、「層化(stratification)」という概念を使って、社会的状況と言語がどうつながっているのかも理論立てて説明しています。

 

  • 言語は記号体系で、言語を使用する人は、自分の言語リソースから適切なものを選んで使う。
    言語を使うということは、自分が持っている言語リソース(meaning potential)から1つを選ぶことだといっています。例えば自分自身のことを指すときに「わたし」「おれ」「あたし」「ぼく」などいろいろな言語リソースがありますが、言語を使うときは、そういった意味を作り出すリソースの中から1つを「選択」して使っています。

 

  • 言語は同時に3つの機能を果たす
    SFLは「3つ」に分けて考えることが多いのですが、言語は同時に3つの機能を果たしているといっています。
    例えば「今日は楽しかったよ。また遊びに来てね~」という文があったとすると、これは以下の3つの機能を同時に果たしていると考えられます。

    1. 「今日は楽しかった。また遊びに来てほしい」という内容を伝達する機能(ideational functions)
    2. 相手との関係性を構築する機能(これは上司に対してではなくおそらく親しい友達などに送ったと思われます)(interpersonal functions)
    3. そのテキストを一貫性のあるまとまりのあるものとする機能(textual functions)