会話分析の主要な概念について②:adjacency pair(隣接ペア)

会話分析とは

会話分析は、自然な会話を分析し、どういったタイミングで話者が交替するのか、会話の修復はいつ起こるのかなど、その規則を探るものです。昨日に引き続き、この会話分析の主要な概念について、記載しようと思います。

この記事は、今までの知識とウェブなどの情報を参考に記載しています。あくまで「二次的情報」をもとにした記事なので、原書に当たりたい方は、以下の本がおすすめです。

  • Jaworski, Adam, and Nikolas Coupland. The discourse reader. Routledge, 2014.

↑会話分析(それ以外も入っていますが)で影響力の大きかった論文がまとめてあります。

会話分析については、以下の入門書もあります。

  • Sidnell, Jack. Conversation analysis: An introduction. John Wiley & Sons, 2011.

 

隣接ペア(adjacency pair)

隣接ペアも、話者交替(turn-taking)と同様、重要な概念です。隣接ペアとは、「こんにちは」といえば「こんにちは」と返ってくるように(挨拶―挨拶)、「学生ですか」というと「はい」と答えるように(質問―回答)、Aが起こるとBが起こるというペアになっているような発話を意味します。

例えば、「挨拶」と「挨拶」、「質問」と「回答」、「招待」と「受諾/拒否」、「不服」と「謝罪」などが隣接ペアの例としてあげられます。

 

隣接ペアの特徴

Schegloff and Sacksは以下の論文で、隣接ペアについて以下のように述べています。

  • Schegloff, Emanuel A., and Harvey Sacks. “Opening up closings.” Semiotica 8.4 (1973): 289-327.

 

 

1. 2つの発話から成る。
例えば、「挨拶―挨拶」の隣接ペアの場合、「こんにちは」「こんにちは」と2つの発話から構成されます。

2. その2つは隣接している。
「こんにちは」の後に「学生ですか」と別の発話が来るのではなく、基本は「こんにちは」の直後にその返答である「こんにちは」がきます。。

3. 各々の発話を発するのは別の話し手である。
一人の話し手が「こんにちは」「こんにちは」と一人二役で話さず、別の話し手が発話します。

4. 基本は、順番が決まっている。最初の部分の後に、次の部分が来る。
例えば「質問―回答」の場合、普通は「質問」が先に来て、「回答」がそのあとに来ます。

5. 最初の部分は、ある決まった次の部分を要求する。
例えば、「こんにちは」といえば、返答として「はい」ではなく、同じ「挨拶」である「こんにちは」がくることが、期待されます。つまり最初の部分の「挨拶」は次の部分は(「回答」や「受諾」ではなく)「挨拶」を要求します。最初の部分が「招待」だった場合、次の部分は「受諾/拒否」が来ることが期待されます。

ちなみにこのSchegloff and Sacks(1973)の論文は、昨日紹介したThe discourse readerに収録されています。

  • Jaworski, Adam, and Nikolas Coupland. The discourse reader. Routledge, 2014.

 

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