「人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学」を読了。人の行動の隠された動機についての本でした

人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学

「人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学」を読みました。

  • ロビン・ハンソン,ケヴィン・シムラー(著)大槻敦子(訳)人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学. 原書房 

私たちは「皆の役に立つために仕事をしたい」「環境のためにエコ商品を買う」などいったりします。

ただ、筆者はこのような、こういう表向きの動機の裏には、「この会社に入って、自分の社会的地位をあげたい」や「環境を意識している自分を顕示したい」など自己顕示、欺瞞、社会的地位、性のアピールなどの隠された動機があるといっています。

この本では前半部分のほうにこういった隠された動機の性質について説明して、後半部分は、こういった隠された動機が、会話、宗教、芸術、政治、慈善行為、教育、医療などの分野でどう機能しているかを考察しています。

 

隠された動機

筆者によると、人間の行動に隠された動機があるのは当たり前のことで、動物である私たちは、同じ人間同士で競争し、勝ち抜いていくために、私欲のために行動するものではあるといいます。

 

ただ、他人にはそういった隠された動機に気づかれたくないと思っています。

 

就職面接で「私は自分の社会的地位をあげるために、この仕事をしたいです」なんていう人は、基本いないでしょうし、環境のために活動をしている人が「私はは環境に対する意識の高い、素晴らしい人間です」なんて公に言ったりはしないでしょう。

 

また、これは個人のレベルに限りません。公の場でも集団で、隠された動機に基づいて行動しています。

 

  • Simler, Kevin, and Robin Hanson. The elephant in the brain: Hidden motives in everyday life. Oxford University Press, 2017.

 

そういった隠された利己的な動機を他人に隠すのに、最適な方法は、自分自身もだますことです。つまり自分自身でもその隠された動機を見て見ぬふりをするのです。

 

原文は「The elephant in the brain」です。これは「The elephant in the room」という英語の表現から来ています。

Elephant in the roomという表現は、そこにいる人がすべて重要な問題だと認識しているものの、あえて触れずにいるものを指します。

これをもじって「Elephant in the brain」といっています。これは、頭の中に、実は大きく存在しているものの、見て見ぬふりをしているというような意味になります。

 

翻訳も読みやすいので、比較的簡単に読める本でした。

 

 



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