マルチモーダル・リテラシーやデジタルリテラシーに関するLotherington & Jenson (2011)の論文と、重要な参考文献について

マルチモーダル・リテラシーやデジタルリテラシー

この前、「マルチリテラシーズ教育(A pedagogy of Multiliteracies)について」という記事を書きました。

今回は、マルチリテラシーズ教育に関連して、以下の論文を読みました。

  • Lotherington, H., & Jenson, J. (2011). Teaching multimodal and digital literacy in L2 settings: New literacies, new basics, new pedagogies. Annual review of applied linguistics31, 226-246.

 

1996年にThe New London Groupがマルチリテラシーズ教育を提唱したときは、「言語」のみに着目するのではなく、言語、視覚、聴覚、身振り、空間といったモードや、それぞれのモードの関連性を考慮に入れる必要があるといっていました。

 

今回読んだ論文では、1996年からデジタルテクノロジーがさらに発達し、SNSやオンラインゲームなどのように、自分から発信したり、相手とのやり取りが発生することについてもリテラシー教育では考慮にいれる必要があるといっていました。

 

 

マルチモーダル・リテラシーやデジタルリテラシー関係の参考文献

Lotehrington and Jensonの論文では、末尾に特に重要な参考文献として以下の書籍・論文を挙げていました。

  • The New London Group. (1996). A Pedagogy of multiliteracies: Designing social futures. Harvard Educational Review66(1), 60–93. 

「リテラシー」ではなく「リテラシーズ」と複数形にして、言語やモードの多様性に着目する大切さを述べた、先駆的な論文です。詳しくは「マルチリテラシーズ教育(A pedagogy of Multiliteracies)について」もご覧ください。

 

  • Gee, James Paul. “What video games have to teach us about learning and literacy.” Computers in Entertainment (CIE) 1.1 (2003): 20-20.

Geeはディスコース研究などでの第一人者で、The New London Groupの一員でもあります。

 

  • Jenkins, Henry. “Convergence Culture: Where old and new media collide. 2006.” New York: New York UP (2008).

 

  • Lankshear, Colin, and Michele Knobel. New literacies: Everyday practices and classroom learning. Open University Press, 2006.

 

  • Lyotard, Jean-François. The postmodern condition: A report on knowledge. Vol. 10. U of Minnesota Press, 1984.

 

まとめ

マルチモーダルリテラシー・デジタルリテラシーについてのLotherington and Jensonの論文と、そこで挙げられていた参考文献について紹介しました。

Lotherington and Jensonの論文では、先行研究を参照しながら、いくつか面白そうな活動例も紹介していたので、クラス活動を考えるときの参考になりそうです。