「~につれて」「~にしたがって」「~とともに」「~にともなって」の違いについて

比例を表す表現

「~につれて」「~にしたがって」「~とともに」「~にともなって」というのは、いずれも比例を表すときに使われますが、この4つは置き換え可能なことが多く、違いを説明するのがなかなか難しいです。

 

以下の論文で、この4つを意味の違いから説明していて、わかりやすかったので紹介します。

 

意味の違い

この4つの表現の基本的な意味の違いについて、以下のようにまとめています。

意味の違い(菅長 2006, p. 53)
  • XにしたがってY:YはXに従属する
    –>あり方が従属する/Xに後れて(連動して)Y
  • XにつれてY: YはXに連動する(密着性あり)
  • XとともにY: YとXは同時に起こる
    –>推移するものが並ぶと連動に見える
  • XにともなってY:YはXに随伴しておこる
    (YはXによって引き起こされる)

 

この意味の違いに基づき、様々なケースを検討していましたが、以下にそのうちの2つのみ簡単に記載します。

 

刻々と変化する場合

「~にしたがって」や「~につれて」は連動性のある表現です。

なので、「だんだん~なる」のように刻々と変化する表現にはつかいやすいです。

  1. 話すにしたがって、だんだんAさんと打ち解けてきた
  2. 話すにつれて、だんだんAさんと打ち解けてきた。
  3. *話すとともに、だんだんAさんと打ち解けてきた。
  4. ?話すにともなって、だんだんAさんと打ち解けてきた。

 

短期間の徐々に起こる変化を表すとき、3の「~とともに」のような同時性の表現だと、不自然に聞こえます。

 

しかし、「年をとるとともに、好みが変わってきた」「インターネットの普及とともに、人々の生活も変わった」など、長期的な推移になると、「~とともに」も問題はなくなります。

 

1回的な連動(自然現象)

大きな自然現象で1回だけおこった連動をいうときは、同時性を表す「~とともに」や、随伴性を表す「~にともなって」のほうが使いやすくなります。

  1. ?大きな揺れにしたがって、津波が発生した。
  2. ?大きな揺れにつれて、津波が発生した。
  3. 大きな揺れとともに、津波が発生した。
  4. 大きな揺れにともなって、津波が発生した。

 

この場合、「~にしたがって」や「~につれて」だと不自然に聞こえる人も多いかと思います。

 

興味のある方は

下記の論文では他にも様々なケースに分けて説明していました。無料でアクセスできます(2020年3月28日現在)。

 

また、以下の本にも詳しく記載されているようです。

  • 東京外国語大学留学生日本語教育センター グループKANAME (2007). 『複合助詞がこれでわかる』. ひつじ書房

↑「について」「に関して」「に対して」「によって」「において」「にとって」「として」「にしたがって」「につれて」「に応じて」「に基づいて」など、中級日本語学習者がよく質問するような複合助詞を説明しているそうです。