ジョン・ハッティ(John Hattie)のVisible Learning(可視化された学習)

ジョン・ハッティの「可視化された学習」

教師は、様々なカリキュラムを導入したり、指導方法を工夫したりと様々な教育的介入をします。

教育的介入をするのは教師だけではなく、学習者自身や学校も含まれます。

 

ただ、それぞれの教育的介入が本当に教育的効果があるのかはわかりません。

 

ハッティは、2008年に、「Visible Learning: A Synthesis of over 800 Meta-Analyses Relating to Achievementという本を出版し、その中で800以上のメタ分析(+メタ分析をさらに分析したメタ・メタ分析)の結果に基づき、どの要因が本当に教育効果があるのかを効果量(d)として数値化し、ハッティ・ランキングという順位表を作成したことで非常に有名です。

 

(なお、この算出方法については、いろいろ批判もあるようです)

 

  •  ジョン ハッティ (著), 山森 光陽 (訳) (2018) 教育の効果: メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化. 図書文化社

この本は、日本語にも翻訳されています。

 

  • Hattie, John. Visible learning for teachers: Maximizing impact on learning. Routledge, 2012.

ハッティの本の中では、2012年に出版された、教師向けの本も有名です。

また精力的に講演もしていて、YOUTUBEなどでも多数の動画があります。

 

2008年のハッティ・ランキング

2008年のハッティ・ランキングでは、「宿題」「チームティーチング」「フィードバック」など教育に効果を及ぼしうる138の要因を調べています。

(また、これらの要因を①学習者、②家庭、③学校、④教師、⑤カリキュラム、⑥授業の6つに分類しています。)

 

ハッティはそれぞれの要因の効果量(「d」)を算出し、効果量が0以下のものはネガティブな影響があるとしています。

 

結果とては95%の教育的介入はポジティブな効果があったそうで、効果量の平均は0.4だったようです。

ハッティは、効果量が0.4以上のものが望ましい効果があるものと考え、その効果が高い実践を取り入れることを推奨しています。

 

2008年のもので最も効果量が高かったもの(望ましい結果がでているもの)は以下のようなものです。カッコ内の数字は効果量(d)です。

1位:学習者による自己評価(1.44)
3位:形成的評価を与えること(0.9)
10位:フィードバック(0.73)
11位:教師と学習者の関係(0.72)

 

教師側としては、学習者にフィードバックを与えたり、学習者の学習状況をモニターすること、学習者と関係性を構築することなどが大切になってくるようですね。

 

逆に効果が低いもの(0.4以下のもの)には以下のようなものがあったようです。

88位:宿題(0.29)
121位:能力別によるグループ分け(0.12)
124位:教員養成(0.11)

 

宿題があまり効果量が高くないというのが印象的ですね。

 

まとめ

ハッティの研究は数々の既存の研究をまとめて、数値化したことで、非常に影響力がありました。(ただ、その計算の根拠などには多くの批判もあるようですが)

 

また、ハッティはその後も数年ごとにハッティランキングを更新しています。