サウジの映画の「Wadjda(邦題:少女は自転車に乗って)」が個人的に良作でした。

応用言語学と関係はありませんが、WadjdaというサウジアラビアのHaifaa al-Mansour監督の映画をみました。飛行機の中の暇つぶしで見たのですが、個人的にかなり良作だったので忘れないように記録しておきます。

  • WADJDA

日本では「少女は自転車に乗って」という題で公開されていたみたいです。

  • 少女は自転車に乗って

ストーリーはサウジに住む10歳のワジダが自転車を買う資金を集めるために、コーランの朗読会に出場するというものです。この映画のいいなと思ったところは、サウジの男性・女性の格差や出稼ぎ労働者の社会制度も巧みに描かれているのですが、それを全面的には押し出しださず、あくまで目的に向かってまっしぐらなワジダに焦点をあてて描かれているところです。

またこの主人公のワジダが、自転車を買うために知恵を絞って友達相手に商売をしたり、コーランの朗読会で賞金がでると知ったとたんに宗教サークルに入って熱心にコーランを勉強しだしたりと、大人を困らせる問題児なのですが、とても魅力的な子で、見ていて微笑ましい気持ちになります。

サウジの日常生活や社会問題に興味はあるけれども、あまり暗い・重い・真面目な映画は見たくないという人にはお勧めです。

ちなみに英語字幕でみたのですが、ときどき訳されていない箇所があって、とてももどかしい気持ちになりました・・・。日本語字幕はどうなのでしょうか。オリジナルがわかれば。。と思ってしまいますね。

サウジでは映画は禁止されており、この映画はサウジ国内では上映されないそうなので、「サウジの女性監督がサウジで撮影した」というこの映画の存在自体も様々な解釈がされることとは思いますが、視聴者としてはこの映画は映画として楽しめました。