リテラシーで有名なKern (2012)の講演を視聴。様々な具体例を織り交ぜながらリテラシーの変遷を説明していました。

リテラシーで有名なKernの講演がアップされていたので見てみました。2012年の講演らしいです。

  • Kern, R.  (2012) Literacy and Technology: Where We’ve Been and Where We’re Heading

どう読み書きの概念・文化が変わってきたかなどをたくさんの歴史的な例を出しながら説明していました。例えば古代ギリシャ(だったと思います)のテキストだとスペースや句読点がない巻物が主で、ぱっとみるとすごく読みづらいのですが、その当時はそれを読む専門の人がいて、みんながその人が読むのを聞いていたそうです。こういういろいろな読み方の例を出しながら、一口にリテラシーといっても社会的な状況によって変わるものなので、テキストだけでなくて、それが使われている社会環境にも目を向ける必要があるということをいっていました。

また、コンピューターと紙媒体の違いについても、これもいろいろな研究の例を出しながら説明していました。

例えば、ギリシャ語では、パソコンではギリシャ文字じゃなくてローマ字を使って書くことが多いらしいです。それが普通になってしまったので、逆にパソコンでギリシャ文字で書くと変な感じに思うこともあるそうです。それがパソコンという媒体が文化に影響を及ぼした例なのではと言っていました。

これ以外にも絵文字や、携帯のテキストメッセージの特別な書き方などを、いろいろな言語の例を通して紹介しながら、コンピューターを通したリテラシーを養うには、ただ使うだけじゃなくて、批判的にみる力や、多言語でのリテラシーも取り入れていく必要があるのではと言っていました。

  • Kern, Richard. Language, literacy, and technology. Cambridge University Press, 2015.