Larsen-Freemanの提唱した「Grammaring」に基づいた英語教科書「Grammar Dimensions」について

Grammaringとは

Grammaringについてはずいぶん前の記事で少し紹介しました。

  • Larsen-Freeman, Diane. Teaching language: From grammar to grammaring. Heinle & Heinle Pub, 2003.

 

詳しくは上記の本にも記載してありますが、Grammaringは通常思い浮かべるような言語ルールとしての「文法(grammar)」ではなく、意味や使用を含めた動的な形で「文法」をとらえています。

 

Grammaringにおいて鍵となるのは、Form、Meaning、Useです。

 

  • Form(フォーム)

文法というと、「主語が三人称単数の現在形の場合は動詞にsをつける」などといったルールのイメージが強いと思います。もちろん、Grammaringでもこういったフォームを正確に使用することも大切な要素の一つにあげています。

 

  • Meaning(意味)

ただ、フォームだけに焦点を当てると、意味がおざなりになってしまうおそれがあり、Grammaringでは、意味(meaning)も大切な要素の一つに挙げています。文法というのは、細かい意味の表現を可能にしてくれるものだといっています。

 

  • Use(使用)

また、どの場面でどのフォームを使うか、という実際の使用も大切な要素です。

 

 

ルールを覚えるだけではなく、その場面場面で効果的な文法を正確に、意味のある形で、適切に選べることがgrammaringの概念にあるようです。

 

例えば、冠詞の「a」や「the」を学ぶときに、不特定のものは不定冠詞「a」、特定できるものは定冠詞「the」というようなルールだけでなく、「This is a pen」と「This is the pen」の場合だとどういう意味の違いが出るかとか、どういう場面で「This is a pen」、どういう場面で「This is the pen」を使うのかといったようなことを学ぶ必要があるということかと思います。

 

Grammaringの概念をもとにした教科書

知り合いに、このGrammaringの概念をもとに作成された教科書を紹介してもらいました。Book 4まであるそうです。

  • Larsen-Freeman (2007) Grammar Dimensions, 4/e Book 1 : Text. CengageLearning K.K.

↑2007年~2008年なのでもう10年以上前に出版されていたようですね。

 

また、この前も紹介しましたが教師用には以下の本が出版されているようです。

  • Larsen-Freeman, D., Celce-Murcia, M., Frodesen, J., White, B., & Williams, H. A. (2016). The grammar book: Form, meaning, and use for English language teachers. National Geographic Learning.