SLA(第二言語習得)の歴史的変遷③:1980年代の発展(語用論)

SLAとは

SLAとはSecond Language Acquisition(第二言語習得)の略です。1960年頃から活発に研究されるようになった分野です。

このSLAの歴史的変遷について、以下の4つの時代に分けて説明します。

(記事自体は計8記事で記載します。各番号をクリックすると、該当する記事にアクセスできます)

  1. 1960年代・1970年代~:黎明期(
  2. 1980年代~:SLA研究の発展(
  3. 1990年代~:社会的アプローチ・認知的アプローチ(
  4. 2000年代~:多様化の時代(

今回は1980年代の発展期についてです。

この時代はSLA研究が発展しますが、主な研究としては以下のようなものがあります。

前回の記事では「普遍文法」関連の研究について簡単に紹介しましたが、今回の記事では「語用論」について紹介します。

 

語用論とは

語用論は英語では「Pragmatics」のことです。「Pragmatic」とは「実用的な」「実利的な」「実践的な」という意味ですが、学問としての語用論(Pragmatics)はある社会文化的状況の中での言語の使用に着目した分野です。

 

詳しくはこちらをご覧ください。

語用論(Pragmatics)とは何か?

チョムスキーの普遍文法関連の研究は、人間の脳の中にある言語機能に着目しており、言語はどう使われるのか、ある場面で適切な言葉遣いは何かなどの社会文化的な側面にはあまり着目していません。

こういった社会文化的な面の大切さに着目し、理論を発展させていったのが語用論だと思います。

 

語用論関連の研究

要求や謝罪、申し出などのスピーチアクトを学習者がどう習得し、使用しているのか、ネイティブスピーカーとの比較を通して調査するものがこの時代にはよく見られました。

  • Kasper, Gabriele, and Shoshana Blum-Kulka, eds. Interlanguage pragmatics. Oxford University Press on Demand, 1993.

(最近はその「ネイティブスピーカー」という概念そのものにも疑問が投げかけられています)

KasperやBlum-Kulkaなどの研究が有名です。

 

まとめ

1980年頃に研究されていたテーマのうち、語用論について紹介しました。

次の記事ではインプット・インタラクション研究について紹介しようと思います。