グローバル社会における英語と政治経済:RicentoのLanguage policy and political economy(2015年)

言語政策と政治経済

Thomas Ricentoは言語政策では著名な研究者で、言語政策の入門書なども書いています。

今回は数年前に出版された彼の編著をいただいたので読み始めています。

  • Ricento, Thomas, ed. Language policy and political economy: English in a global context. Oxford University Press, 2015.

 

3部構成、全12章で構成されています。

 

この本の課題

この本の大きな課題は以下のとおりです(p.2)。

  • 英語は真のリンガフランカとしての役割を果たすのか
  • 低所得国・発展途上国において、英語教育は持続的な経済・社会的発展に資するのか

Ricentoは、インドの例を挙げて、高い英語力を持つことで利益を得ているのは、ごく一部にすぎず、大多数のインドの人は日常でほぼ英語を使うことはないと指摘していました(p. 4)。

 

まだ少ししか読んでいませんが、Ricentoは批判的に現在の英語に対する見解を見ているようです。

この本に寄稿している他の執筆者も、批判的な立場が多そうです。

 

  • 久保田竜子(2018) 英語教育幻想. ちくま新書

↑もしかしたら久保田の本と共通する論点もあるかもしれません。