David Nunanのアジア太平洋地域における「グローバル言語としての英語」の影響に関する論文を読みました。

David Nunanは精力的に執筆・活動している学者です。私が言語教授法を学んだ頃は彼の以下の本が課題図書にも含まれていました。

  • Nunan, David. Syllabus design. Oxford University Press, 1988.

英語のテキストも作成していて、彼の作成した「Go for it!」は25億部も売れたそうです(情報源:David Nunanのホームページ)。

  • Go for it! Level 1

今回は彼のアジア太平洋地域における「グローバル言語としての英語」の影響に関する以下の短い論文を読みました。当時は香港大学の教授だったようです。

  • David Nunan (2003) The Impact of English as a Global Language on Educational Policies and Practices in the Asia-Pacific Region. TESOL Quarterly, 37(4), 589-613

この論文では、中国、香港、日本、韓国、マレーシア、台湾、ベトナムの政策文書や関係者のインタビューなどの分析を通して、「グローバル言語としての英語」に対する各国の対応等を分析していました。

予想通りと言えば予想通りですが、どの国でも英語を重要視しており、英語が必修課目として導入される時期が低学年化する傾向にあるようです。この論文が書かれたのは2003年ですが、日本でも2011年から小学校5年生・6年生で年間35単位時間の「外国語活動」が必修化されていますし、今後もその低学年化の傾向は続きそうです。

ただ、どの国でも(程度の差はあれ)教師の英語力の問題などがあるようですね。