翻訳者トレーニングでのコーパスの活用に関するオンラインワークショップに参加しました①

少し前ですが、2015年4月14日にInternational Association for Translation and Intercultural Studies(IATIS)主催で翻訳トレーニングでのコーパス活用(「Corpora and Tools in Translator Training」)についてのワークショップがオンラインで開催されていたので参加してみました。(コーパスについてはこちら

1つ目は以下の講演でした。

  • Silvia Bernardini. Educating translators with corpora: Exploratory learning revisited. IATIS Online/Onsite Training Event 14 April 2015. Cologne University of Applied Sciences

講演者のBernardiniはコーパスについての本も出版しているようです。

  • Zanettin, Federico, Silvia Bernardini, and Dominic Stewart. Corpora in translator education. Routledge, 2014.

Bernardiniは、この講演で、従来、翻訳者トレーニングにおけるコーパスというのは、効率よく翻訳をするため、技術・情報検索スキルの向上の一環としてコーパスの使い方を学ぶなど、トレーニング中心(training oriented perspective)であったと言っていました。

ただ、Bernardiniは、コーパスはこういったトレーニングだけではなく、「言語」能力そのものや「文化間」能力を向上させるための、教育目的(education-oriented perspective)にも適用できるのではといっていました。

その例として自らのコースを紹介していました。そのコースでは、学生がコーパスを使ったプロジェクトに携わり、ある特定の分野のコーパス(美術館のウェブサイトの歴史紹介ページ等)を構築し、比べるなかで、ジャンルやレジスター(ジャンル、レジスターについてはこちら)の意識も高まったといっていました。

翻訳者トレーニングにおけるコーパスの使い道は翻訳技術や、情報収集・検索スキルの向上などだけにはとどまらないとは思いますが、では(費用対効果も考えつつ)具体的に何ができるのかと言われると難しいですね。Bernardiniも実践報告が足りないと指摘していました。