Juliane Houseの言語・文化間のコミュニケーションとしての翻訳に関する講演を視聴しました①

Juliane Houseについて

Juliane Houseはトランスレーション・スタディーズの入門書の機能主義的アプローチの項でもよく紹介されている学者です。

有名な本は以下のものです。

  • House, Juliane. A model for translation quality assessment. Vol. 88. John Benjamins Pub Co, 1977.

翻訳の品質評価モデルを機能言語学をもとに提示しました。

最近は以下のような本も出版しているようです。

  • House, Juliane. “Translation quality assessment: Past and present.” Routledge. 2014.

 

Covert translation vs overt translation

Houseは、翻訳は機能的に等価なものであるべきと言っており、そのためには原文の意味を翻訳するだけでなく、そのテキストが果たす社会的機能も翻訳しなければならないといっています。

例えば、広告であれば、広告の中の言葉の意味を伝えるだけでなく、顧客を引きつけるというような社会的機能も翻訳する必要があるといっています。

 

また、covert translation・overt translationという用語も提示しています。

日本語ではそれぞれ潜在化翻訳・顕在化翻訳、暗示的な翻訳・明示的な翻訳などと翻訳されているようです。

  • covert translation(潜在化翻訳)
    「covert(隠れた)」という言葉からも分かる通り、一見 翻訳とわからないような翻訳のことです。翻訳者が自分で解釈を加えながら、目標文化(翻訳される言語の文化)において自然と思われるような翻訳をすることを指すようです。
  • overt translation(顕在化翻訳)
    これは、すぐに翻訳とわかるような翻訳のことです。これでは起点言語の特徴を残したまま翻訳する傾向があります。

 

講演の内容については長くなるのでまた明日書ければと思います。