ポール・リクール(Paul Ricoeur)(2007)の翻訳理論(linguistic hospitality)について少し調べてみました。

ポール・リクール(Paul Ricoeur)は有名なフランスの哲学者ですが、彼の翻訳理論が面白そうだったので少し調べてみました。

彼は翻訳の倫理的問題(ethical problem)にも言及していたようで、翻訳者は読み手から書き手に、書き手から読み手に結びつける中で、読み手・書き手という2者に仕え、またその2者を裏切るおそれもあるといっているそうです。

彼は、翻訳するということは「linguistic hospitality(言語的ホスピタリティ)」とも呼べるといっているそうです。ホスピタリティとは、辞書の訳だと「手厚くもてなす」などという意味になるかと思いますが、要するに読み手も書き手もどちらも手厚くもてなすという感じになるのかなと思います。(原文にはあたっていませんので参考程度にしてください)

二つの言語は異なっていて、決して完全な翻訳をすることはできないので、その限界の中で、読み手・書き手のことを考えながら自分の最善を尽くして何等かの形で翻訳をしていかなければならない、ということなのかなと思います。

  • Ricoeur, Paul. On translation. Routledge, 2007.
  • Ricœur, Paul. Sur la traduction. Bayard Jeunesse, 2004.

原文を読んでみたいですね。