「異文化コミュニケーション学への招待」読了。コミュニケーションの捉え方も随分変わってきているんですね。

鳥飼他(編)(2011)の「異文化コミュニケーション学への招待」を読みました。これは立教大学の異文化コミュニケーション研究科の紀要『異文化コミュニケーション論集』の第1号~第9号までに掲載された講演会等をまとめたものです。計21編あります。

  • 鳥飼玖美子他編『異文化コミュニケーション学への招待』、みすず書房、2011

異文化コミュニケーションというとどうしても私は言語面に注目してしまいがちですが、この本では、環境研究、社会/文化研究、通訳翻訳/言語研究など、様々なテーマを扱っていました。

コミュニケーションといえば「情報伝達」というイメージが強いですが、最近はコミュニケーション観が変容し、コミュニケーションを「情報伝達」としてではなく、特定の歴史・社会的なコンテクストで生まれる「出来事」として捉え、コミュニケーションのよって言語・文化・そして社会が(再)構築されていくという考えが強まっているようです(p.13)(cf. Parmentier, 1994; Sawyer, 1998; Silverstein 2004, 2007; Silverstein & Urban, 1996)。(小山「異文化コミュニケーション学と環境学の現在」p.13)

様々な分野を扱っていて、参考文献も充実しているので、異文化コミュニケーション学を様々な角度から見るのには役に立つ本だと思いました。