New London GroupのMultiliteracies projectについての備忘録です。

昨日紹介した以下の本に紹介されていたNew London Groupのマルチリテラシーズプロジェクト(multiliteracies project)について少しメモしておきます(Hall 2013, p. 126)。

  • Hall, Joan Kelly. Teaching and researching: Language and culture. Routledge, 2013.

New London Groupは1994年にアメリカのニューハンプシャー州のニューロンドンに集まった10名程度の研究者で構成されるグループです。

そのうちの2人は以下のような本も上梓しています。

  • Cope, B. and Kalantzis, M. A Pedagogy of Multiliteracies: Learning by Design. Palgrave Macmillan. 2015. 

前も述べた通り、リテラシーというと、ある言語での読み書き能力というニュアンスで使われることが多いですが、The New London Groupは「multiliteracies」とリテラシーを複数形でとらえ、いわゆるある「一つの言語」の読み書きだけでなく、様々な言語・その変種や、さらにはオーディオ、ビジュアル、ジェスチャーなどの多様な情報を理解し、産出する力を養うことを目的としているようです。

New London Groupは、学習を促す場面として、以下の4つを挙げているようです(原文は読んでいません。Hall 2013, p. 126を参考に記載しています)。

  • situated practice-学習者が実際に能力を伸ばしたいと思う、ローカルな環境に即した活動を提供すること
  • overt instruction-明示的に学習者を指導すること
  • critical framing-批判的に分析する力を養うこと
  • transformed practice-学んだことを学習者が実際に使用して、身近な環境で変化をもたらすこと

詳しくは以下の本の章に記載されているようです。

  • The New London Group. (2000). A pedagogy of multiliteracies: Designing social futures. In B. Cope and M. Kalantzis (Eds.) Multiliteracies: Literacy learning and the design of Social Futures. New York, NY: Routledge, 9-37.