日本における高等教育での「英語で教える」コース(EMI)についての書籍

EMIについて

EMIは、 English as Medium of Instructionの略で、「英語を学ぶ」言語のクラスではなくて、教科を「英語で教える」というものです。

日本語では「教授言語としての英語」などと翻訳されているようです。

ずいぶん前の記事でも少し紹介しましたが、高等教育ではEMIを一部・全部で実施する大学が増えています。

International Review of Applied Linguistics in Language Teachingの英語で授業を行う大学に関する特集号を見てみました。

今日調べてみたら、最近は関連書籍がたくさん出版されているようで、日本の高等教育に特化した本も出版されているようです。

 

EMIの課題

下記の本に入っていたWilkinsonのオランダのマーストリヒト大学の例を紹介した論文では、以下のようなEMIの課題を挙げていました。

  • Wilkinson, R. (2013). English-medium instruction at a Dutch university: Challenges and pitfalls. In A. Doiz, D. Lasagabaster, & J. M. Sierra (Eds.), English-medium instruction at universities: Global Challenges (pp. 3–24). Bristol: Multilingual Matters.
  • 第一言語がアカデミックな言語として使えなくなる
  • カリキュラム・コースデザインの問題
  • 科目を教える教師と語学教師との連携
  • 教育の質の保証

 

日本の高等教育におけるEMIについての本

  • Annette Bradford, Howard Brown (Eds.) English-Medium Instruction in Japanese Higher Education: Policy, Challenges and Outcomes. Multilingual Matters

↑18の論文で構成されていて、日本の高等教育におけるEMIの現状や課題などを紹介しているようです。

 

  • Toh, Glenn. English as Medium of Instruction in Japanese Higher Education: Presumption, Mirage Or Bluff?. Springer, 2016.

↑去年はこのような本も出版されていました。これは単著ですね。EMIの背後にあるイデオロギーなども記載されているようです。