ディスコース・モダリティに関するMaynard (1993)の本を読みました③

昨日の続きです。

  • Maynard, Senko K. Discourse modality: Subjectivity, emotion and voice in the Japanese language. Vol. 24. John Benjamins Publishing, 1993.

上記の本で個人的に面白いなとおもったのは第5章のスタイルシフトについてです(スタイルシフトについてはこちら)。スタイルシフトは日本語の自然会話等をはじめ、多くみられると言われています。

この章では、自然会話、小説、エッセイの3つのタイプのデータを通して、「~だ」と「~です/ます」を混ぜて使うスタイルシフトも、話し手の心的態度を表す「ディスコース・モダリティ」を示す指標の一つであるといっていました。

Maynardによると、相手を意識して話すときは「~です/ます」、相手に対する意識が低いときは「~だ」になると言っています。

例えば、突然何かを思い出したり、今起こったかのように物事を話したり、自分の心の内を話したりするときは「~だ」になりがちだといっています。また、小説等では「~だ」は背景情報を言うときに使われることが多いようです。また、聞き手との距離感が近くなったときにも「~だ」になるといっていました。

逆に、相手を強く意識し、相手との距離感があるときは「~です/ます」になるといっています。小説等では「~です」は前景的情報にもよく使われるといっていました。

こうやって、どういうスタイルを使っているか(「~だ」/「~です/ます」)によって、話し手の態度を察することができるといっていました。そういう視点で考えてみると、日々の会話も違った視点で楽しめそうです。