Larsen-Freemanの2014年のComplexity Theoryに関する基調講演を視聴しました②

昨日の続きです。Complexity Theoryをもとに、現在の言語教育について以下のような疑問を投げかけていました。

  • 「Acquisition(習得)」は正しい言葉なのか。「発展(development)」のほうがいいのでは?
    これについてはこの前の記事と重複するので割愛します。詳しくはこちら

 

  • インプットからアウトプットに変換することでないなら学習とは何なのか?
    言語教育では、学習者が見聞きする言語のことを「インプット(input)」、学習者が産出する言語(話す・書く)を「アウトプット(output)」と呼び、言語学習を、学習者がインプットを受け、これを処理し、アウトプットとして産出するというふうにとらえることが多いです。
    ただ、これだと、学習者は言語を処理するコンピューターのようで、学習者の主体性がおざなりになってしまうとLarsen-Freemanは指摘します。Complexity theoryでは、上記の「インプット–>学習者の頭で処理–>アウトプット」のモデルに代わるものとして、人々のインタラクション(関わり合い、交流、相互作用)に注目します。昨日も書きましたが、人々が関わり合う中で何が起きているのか、一つ一つの文脈を見ることでどういう現象が生じているのかつぶさに観察します。インプットの代わりとなる概念としてアフォーダンス(affordance)(詳しくはこちら)という考え方も紹介していました。

 

  • エラーとイノベーションの違いは何か?
    言語は固まったものではないので、エラーとイノベーションと分けるのは簡単ではないといっていました。たとえば、英語では「data」は複数ですが、多くの人が「this data」というように単数でも使っているとLarsen-Freemanは指摘していました。

 

  • なぜ学習者はクラスでできたことも、クラス外ではできなくなるのか。
    これについてはgrammaringという彼女の考えを紹介していました。これについても前紹介したので割愛します(詳しくはこちら

Complexity Theoryについては本も出ているので読んでみたいですね。

  • Larsen-Freeman, Diane, and Lynne Cameron. Complex systems and applied linguistics. Oxford University Press, 2008.



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