衛星枠付け言語(satellite-framed languages)と動詞枠付け言語(verb-framed languages)について

昔習ったTalmyの移動動詞の類型論についてです。

  • Talmy, Leonard. Toward a cognitive semantics. Vol. 2. MIT press, 2000.

(学んだのがずいぶん前なので、興味のある方は原文にあたってください)

まず、以下の文を見てみてください。

  • He walked into the room
  • He ran out of the room

これは日本語では

  • 彼は部屋に歩いて入った
  • 彼は部屋を走って出た

などと訳されることが多く、「彼は部屋に歩いた」や「彼は部屋の中から走った」とはあまり言わないと思います。

このように、英語では、移動の場合の「経路」のような中核的スキーマ(core schema)を動詞以外の要素(上記の場合はinto/out of)で表すことが多いです。

逆に日本語の場合は、動詞そのもの(上記の場合は「入る」「出る」)で移動経路を表すといっています。

Talmyは、英語のような言語を衛星枠付け言語(satellite-framed languages)、日本語のような言語を動詞枠付け言語(verb-framed languages)と呼んでいます。

衛星枠付け言語の例としては、英語の他、ドイツ語や中国語があるようです。動詞枠付け言語の例としては、日本語の他、フランス語、スペイン語、タミル語などが含まれるようです。

 

このTalmyについては、日本語でも紹介されています。

  • 影山太郎. “日英対照 動詞の意味と構文.” 東京: 大修館 (2001).



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  1. 影山(2002)の「ケジメのない日本語」読了。 – 旅する応用言語学

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