CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とは何か?①:その背景・影響

CEFRとは

CEFRとは、「Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment」の略で、「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠」とよく翻訳されています。

英語圏ではCEFと言われることもあります。

「参照枠」という和訳だとわかりにくいですが、要するに外国語の学習・評価するときのガイドライン・指針のようなものです。

CEFRは、2001年に欧州評議会(Council of Europe)が作成しました。

 

  • Council of Europe (2001). Common European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment

 

和訳も出ています。

  • John Trim, Brian North, Daniel Coste(著)/吉島茂他(訳編)(2014)日本語訳. 外国語教育Ⅱ 外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠. 朝日出版社

なお、2018年には、CEFRの補遺版(CEFR Companion Volume with New Descriptors)も発行されています。

 

フランス語やドイツ語を勉強した人であれば、DELF/DALFのような試験や、ゲーテ・インスティテュートの試験で、A1, A2, B1, B2, C1, C2といったレベルを聞いたことがあると思います。

 

大雑把にいうと、A1, A2が初級B1, B2が中級C1, C2が上級に当たりますが、初級は何ができるのか、中級は何ができるのか、上級は何ができるのか、言語の垣根を越えて、共通参照レベルという基準を定めているのもCEFRです。

 

 

現実には言語のレベルを判断する際の基準として使われることの多いCEFRですが、「複言語主義・複文化主義(plurilingualism/pluriculturalism)」を掲げ、言語を学ぶことはどういうことなのか、言語を学ぶことで何を目指すのかを記載しているのもその特徴です。

 

 

CEFRが生まれた背景

CEFRはヨーロッパで生まれたものです。作成したのも欧州評議会(Council of Europe)のLanguage Policy Sectionです。

ヨーロッパでは1992年のマーストリヒト条約によってEUが誕生し、1999年に単一通貨であるユーロも導入されました。

この流れの中で、従来の国民国家の枠組みではなく、国を超えて協調する大切さが叫ばれるようになっています。

(EUと欧州評議会は別の独立した機関ではありますが、特に教育面や言語政策面ではお互いに協力しあっています。)

 

CEFRもその流れの中で生まれたもので、言語教育を通して、ヨーロッパ言語の多様性を守り、ヨーロッパ間の相互理解を高めることで、ヨーロッパ内での協調・結束を高め、民主的な市民性を育むことをその目的としています。

 

 

CEFRの影響

ヨーロッパで生まれたCEFRですが、日本語教育など他の言語学習にも影響を与えています。

日本語教育では、ヨーロッパ言語共通参照枠に基づいて国際交流基金が「JFスタンダード」というのを作成しました。

また、CEFRに即した形での日本語教材も開発しています。

  • The Japan Foundation (2013). Marugoto: Japanese Language
    and Culture (Starter A1): Coursebook for communicative language competences. Japan Foundation. 

 

まとめ

この記事ではCEFRが生まれた背景について記載しました。

興味のある方は、このCEFRで謳われている複言語主義や行動中心アプローチについての記事もご覧ください。

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とは何か?②:複言語主義

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とは何か?③:行動中心アプローチ(action-oriented approach)



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