「Linguistics for Intercultural Education」序章読了。文化間教育における「言語」の重要性に着目した本です。

序章だけですが、Dervin and Liddicoat(2013)のLinguistic for Intercultural Educationを読みました。

  • Dervin, Fred, and Anthony J. Liddicoat, eds. Linguistics for intercultural education. Vol. 33. John Benjamins Publishing, 2013.

最近のIntercultural education(文化間教育)というのは、目標文化と自文化の比較を通して文化に対する知識を得るのではなくて、学習者自身が言語の使用者として、また文化間の仲介者として会話の中で他者と文化を構築していくプロセスだと言っています。また、国やエスニシティのアイデンティティに重きを置くのではなく、もっと学習者1人1人の主観性にフォーカスしているといっています。

また、Dervin and Liddicoatは、今まで文化間教育では言語にフォーカスしていないものも結構あったと述べ、言語の分析や使用を通した文化間教育の必要性を述べていました。

こういう言語文化の分野も、(ディスコースで)文化・アイデンティティが構築されるという、ポスト構造主義や社会構築主義の考え方に随分影響を受けているのだと思います。

そして読んだ後で文献を整理して気付いたのですが、これは2014年3月に1回読んでいたようです。丁寧に線も引かれていました。まったく新しい本と思って読んだので、記憶力というのは恐ろしいなと思いました。