選択体系機能言語学(Systemic functional linguistics(SFL))についての入門④:TRANSITIVITY

「TRANSITIVITY」についての続きです。昨日紹介した6つのプロセスタイプについての詳細です。

Systemic functional linguistics(SFL)の参考文献

参考にしているのは以下の本です。

  • Halliday, Michael,  and Christian Matthiessen. An introduction to functional grammar. Routledge, 2014.

もちろん、それだけでなく、この前の紹介記事でも記載した、以下の入門書も参考にしています。

  • Eggins, Suzanne. Introduction to systemic functional linguistics. A&C Black, 2004.

 

Material

Materialというのは、ある行為者(Actor)がある動作を行うというものです。

プロセスタイプがMaterialかどうかを判断するためには、「What do/did X do?」という質問をすればわかります。

 

例えば、

  • Sam studied at the library.
  • Sam went to Tokyo

という文があったとします。

 

このとき、「What did Sam do?」という質問をすると、その答えとして「Sam studied at the library」「Sam went to Tokyo」などといった文は適切です。なので、「studied」「went」などの(いわゆる動詞の)プロセスタイプは「Material」ということになります。

逆に、以下のような文のプロセスタイプはMaterialではありません。

  • There was a student in the room.

この場合、「What did there do?」とはいう質問はできないので、「was」のプロセスタイプはMaterialではないことがわかります。

また、以下のようなParticipantsを伴います(かっこ書きのParticipantsは必ず出てくるわけではありません)

  • Actor-行為をする人
  • (Goal―行為により影響をうける人/もの)
  • (Range―プロセスの「範囲」、プロセスを再び述べること(sing a songなど))
  • (Beneficiary―何かを受け取る人(recipient)、何かの行為の対象となる人(client))
Mental

Mentalというのは、「think」や「feel」などの思考や感情、認識、知覚を指すプロセスを指します。

ある文が「mental」にあたるかどうかを知るためには、「What do you think/feel/know about x?」という質問をしてみるとわかります。

例えば、

  • I liked this film
  • I don’t understand you.
  • I believed his report.

というような文があったとします。

このとき、「What do/did you think about this film/me/his report?」という質問をすると、その答えとして「I liked it」「I don’t understand you」「I believed his report」はしっかり受け答えになっているので、上記の文のプロセスタイプはmentalということになります。

また、see、hearなどの知覚動詞もMentalに入ります。

Mentalのプロセスは、以下のようなParticipantsを伴います。

  • Senser-感じる・考える・知覚する人
  • Phenomenon―感情・思考・知覚の対象となるもの

 

Behavioural

三つ目のbehaviouralというプロセスは、mentalとmaterialの間のようなものです。

動作ではあるのですが、ある意識のある人・動物などがそれを体感します。心理的・物理的な行動を指すものが多いです。

例としては、

sigh、cry、breathe、cough、laugh、look over、taste、watch、smile、grimace、sniff、frown

などがあります。

知覚動詞である「hear」のプロセスは「mental」ですが、動作主が意識をもって知覚しているようなニュアンスの強い「listen to」だと「behavioural」となります。

同様に知覚動詞「see」のプロセスは「mental」ですが、「look at」や「watch」のように動作主の意識的な動作がより浮き彫りになるようなものだと「behavioural」になります。

Behaviouralのプロセスは、以下のようなParticipantsを伴います。

  • Behaver-行動をする人
  • (Behaviour―プロセスを再び述べること(smiled a mysterious smileなど))
  • (Phenomenon―Behaviouralの対象となるもの(He listened to the radioの「the radio」など))

長くなるので、残りの3つのプロセスタイプについては次回記事に回します。