Blommaert(2004)のTshibumbaの「Histoire du Zaïre」を分析した短い論文を読みました。

Blommaertについてはこのブログでも何度か紹介していますが、今回は彼が、コンゴの画家Tshibumbaが執筆した「Histoire du Zaïre(ザイールの歴史)」を分析した論文を読みました。

  • Blommaert, Jan (2004) Grassroots historiography and the problem of voice: Tshibumba’s ‘Histoire du Zaïre’. Journal of Linguistic Anthropology, 14 (1). pp. 6-23. 

Tshibumba Kanda-Matuluは、1947年にコンゴ民主共和国のルブンバシ(当時の名称はエリザベートヴィル)に生まれた画家で、コンゴの歴史についての絵画を残したそうです。

Tshibumba は、「歴史家」としても、フランス語で「Histore du Zaïre(ザイールの歴史)」を記したそうです。ただ、Blommaertによると、Tshibumbaの記した本はフランス語の文法的誤りやスペルミス、誤字脱字が多く、また、何も書かれていない白紙の章があったり、事実誤認も含まれていたようです。

Blommaertはこういったいわゆる「非エリート層」が記した書物を「grassroots literacy(草の根リテラシー)」と呼び、分析していました。

上記の論文の内容については次の本でも詳しく記載されているようです。

  • Blommaert, Jan (2008) Grassroots Literacy: Writing, Identity and Voice in Central Africa. Routledge.

 

コンゴ民主共和国といえば前々から以下の2冊もいつか読みたいと思っていますが、まだ読めていません・・・。

  • David Van Reybrouck (2012). Congo.

コンゴに詳しい友人にお勧めしてもらった本で、フランスの文学賞メディシス賞のエッセイ賞を受賞した作品です。「権威のある」歴史書ですね。

 

  • Hochschild, Adam (1998). King Leopold’s Ghost. Pan Macmillan.

ベルギー王レオポルド2世が現在のコンゴ民主共和国で行った所業を記した本です。10数年前に本屋に注目の本として置かれていて、読みたいなと思いつつ、まだ読めていません。