アイデンティティ研究で有名なBlock (2013)の社会階級に関する本を読みたいです。

David Blockについてちょっとメモです。

David Blockはちょっと前までロンドン大学のInstitute of Educationにいましたが、現在スペインのLleida大学にいるようです。

彼はアイデンティティ研究で有名ですが、アイデンティティ研究では、ジェンダーや国籍、宗教、人種、言語などに重点が置かれており、「社会階級」が無視されてきたとして、最近は以下のような本も出版しています。

  • Block, David. Social class in applied linguistics. Routledge, 2013.

ちなみにこの本にある3つの帽子は、「Frost Report」という1966年のBBCの社会階級の風刺コメディーからきているそうです。実はそのFrost Reportを表紙に入れたかったそうですが著作権上難しかったので、帽子だけになったとのことです。

彼によると、アイデンティティ研究では、ポスト構築主義に基づき、アイデンティティを社会的に作られたものと見るのが主流だそうです。(参考:David Block (2013) Issues in Language and Identity research in applied linguistics (http://institucional.us.es/revistas/elia/13/art_1.pdf))

 

この前の記事でKramschがSubjectivity(主観性)とアイデンティティの違いについて話していて、Subjectivity(主観性)はポスト構造主義の文脈で語られ、アイデンティティはどちらかというとマイノリティの権利や社会正義などの文脈で語られることが多いと言っていましたが、Blockの話ではアイデンティティ研究もポスト構造主義の流れに基づいているようです。ただ、確かにBlockも「社会階層」に注目していたので、アイデンティティ研究は政治やパワーバランスに興味が関心が向くことが多いのかなと思いました。

また、Blockは、Layder(1997)等を引用しつつ、アイデンティティを「社会的に作られたもの(social construct)」とだけ見るのではなく、心理学的な視点も入れることも大切なのではと言っていました。(Block (2013))

 

上記の本は今度読んでみようと思っています。