社会言語化(language socialization)研究の第一人者のElinor OchsがUC Berkeleyで行った講演を視聴しました。

Elinor Ochsについて

Elinor Ochsは、Shirley Brice HeathやBambi Schieffelin とともに、言語社会化(language socialization)の第一人者です。

このブログでも以前紹介しました。

Language socialization(言語社会化)の第一人者のOchs (1996)の論文を読みました①

 

こんな言語社会化の本も出版しています。

  • Duranti, A., Ochs, E., & Schieffelin, B. B. (Eds.). (2011). The handbook of language socialization (Vol. 72). John Wiley & Sons.

 

Postindustrial language socialization(脱工業化社会の言語社会化)

今回は、Berkeley Language Centerで2017年11月17日に行った講演がアップロードされていたので、視聴しました。

この講演では、現代(脱工業社会)のロサンゼルスの中流階級における子育て(care-giving)について述べていました。

 

このトピックに興味をもったきっかけ

このトピックに興味を持ったのは、1970年代~1980年代に西サモアの子供の言語習得を観察したことがきっかけだったそうです(ちなみにこの西サモアの研究については数多く出版されています。)

西サモアの社会では大人は子供に特に「赤ちゃんことば」を使っていなかったようですが、研究者であるOchsは自然に子供に「赤ちゃんことば」を使ってしまい、それが自分の社会について振り返る機会になったそうです。

 

今回のプロジェクト

今回の研究では、ロサンゼルスの中流階級の32の家庭を対象に普段の会話やインタビューなど膨大な量を集めて、それを分析していました。

 

近年の子育ては、「situation-centered socialization(子供が社会に合わせていく社会化)」ではなく、「children-centered socialization(子供中心の社会化)」であるといっていました。この後者のタイプの社会化では、家庭が教育の場となり、子供に考えさせ、内省力(reflexivity)を高めるようなやり取りが多く、親とは上下関係はあまり強調されていなかったようです。この結果を、現在のグローバル社会において求められる人材などの社会的なイデオロギーと結び付けて説明していました。

こういった子供の内省力を高めるような、子供中心の子育てをすることで、日々のルーティーンをこなすのにいちいち話し合うので時間がかかったり、子供が自分で自分のことをする力があまり養われない(結局は親がかなりの部分をやっている)という面もあると言っていました。



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