診断的評価・総括的評価・形成的評価の違いと、日本語教育の評価に関する書籍

参考本

参考にしたのは以下の本のp. 30-32です。それに、以前学んだ情報等を加えています。

  • 坂本正他 (2017). 日本語教育への道しるべ 第4巻 ことばのみかたを知る. 凡人社

↑最近、この4巻セットを読みましたが、日本語教育で議論されているトピックが幅広く網羅されています。第4巻の第2章は言語能力評価に充てられています。

 

評価

言語教育において評価というと以下の3つに分けて考えることが多いです。

  • 診断的評価(diagnostic assessment)
  • 総括的評価(summative assessment)
  • 形式的評価(formative assessment)

 

診断的評価(diagnostic assessment)

「診断」ということばからもわかるように、学習者が何をしっていて何を知らないか、その時点の学習者の言語能力を診断するために行われる評価のことです。

新しい学校・プログラムに入った学生を、レベル別にクラス分けするためのテストなどがそれにあたります。

教師は、学習者の言語能力がわかりますし、学習者も自分の強み・弱みを知ることができます。

基本は授業の前に行われることが多いです。

 

形成的評価(formative assessment)

学習のための評価」ともいわれるもので、学習者の学習状況をモニターし、学習を促すために行われます。

形成的評価には、宿題・課題、成績に入らないクイズなどが含まれます。

これはコース中に行われるものです。

もし学習者が学習内容を理解をしていないことがわかれば、フィードバックをしたり、再度練習したりすることで、着実に学習内容が身に着けられるようにします。

イン・プロセス評価(in-process assessment)ということもあります。

 

総括的評価(summative assessment)

これはプログラムやコースの最後に、学習目標がどのぐらい達成されたかを総括的に評価するものです。

学期末の最後の試験やプロジェクトなどがこれに含まれます。

この評価の結果は、基本はコースの成績にも含まれます。

学習者はこの評価を通して、授業を通して自分が言語能力が向上したことを実感できますし、教師側もクラス内容が学習者にとって適切なものだったかを判断することができます。

 

日本語教育関連の評価に関する参考文献

日本語教育関連の評価に関する参考文献は以下のようなものがあります。

  • 伊東祐郎 (2008). 日本語教師のためのテスト作成マニュアル. アルク

↑伊東は、外国にルーツのある子どもたちのための対話型アセスメント(Dialogic Language Assessment for Japanese as a Second Language (DLA))も開発しています。

 

  • 近藤ブラウン 妃美 (2012) 日本語教師のための評価入門. くろしお出版. 

↑近藤ブラウンはハワイ大学マノア校の教授で、継承語教育関係で数多く出版しています。

 

  • 佐藤慎司・ 熊谷由理 (2010). アセスメントと日本語教育 – 新しい評価の理論と実践. くろしお出版

↑まだ読んでいませんが、佐藤・熊谷ともに現在の日本語教育を批判的に捉えるような著書が多いので、この本も新しい評価の形を探るようなものなのではと思います。



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