CEFRとその新しい補遺版(Companion Volume)について

CEFRについて

CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)(ヨーロッパ言語共通参照枠)は、2001年に欧州評議会が発行した言語教育に関する政策文書です。

CEFRの特徴は、「複言語・複文化主義」という考え方を提唱していることです。

言語教育といえば英語を勉強するなら英語のネイティブスピーカーのように、日本語を勉強するなら日本語のネイティブスピーカーのようにという風にその目標言語のネイティブスピーカーを目標にすることが多かったのですが、この複言語・複文化主義では、「ネイティブスピーカー」になるのではなく、個々人の中で複数の言語・文化のリソースを増やし、主体的に社会に参画していこうという立場に立っています。

 

  • 細川・西山(編)(2010)「複言語・複文化主義とは何か ―ヨーロッパの理念・状況から日本における受容・文脈化へ」くろしお出版

↑複言語・複文化主義についてはこういう本も出ています(詳しくはこちら

 

日本でも国際交流基金がJFスタンダードなどを作成するなど、このCEFRはヨーロッパだけでなく世界中に影響を与えています。

 

  • 奥村他 (2016). 日本語教師のためのCEFR. くろしお出版

↑こんな本も出ているようです。

 

新しい補遺版(companion volume)について

今年、CEFRの補遺版(CEFR Companion Volume with New Descriptors)が発行されました。オンラインで無料で入手できます。

CEFRは、外国語能力をA1, A2, B1, B2, C1, C2と6つのレベル(A1が超初級、C2が上級)にわけており、それぞれのレベルで「その外国語を使って何ができるのか」という記述を示しています。今回の補遺版ではその記述に追加・修正などを行っているようです。