ソシュール(Saussure)の概念③ :ランガージュ・ラング・パロール

この記事では、ソシュールの提唱したランガージュ・ラング・パロールについて説明します。

 

ランガージュ(langage)

ランガージュは、言語を介して行う行為の総体のことです。

日本語では「言語活動」と訳されるようです。

 

他の動物は人間のように言語を操ることはできません(少なくとも人間のような高度な言語体系は持っていないです)。

人間は、言語を使ってコミュニケーションする潜在的能力があり、日々実際に言語能力を使ってコミュニケーションをしています。

 

話したり聞いたり言語を使って行うすべての行為のことを「ランガージュ」といっています。

 

といっても、ランガージュは非常に大きな概念です。

ソシュールは、このランガージュについて、言語学として研究するためには、ランガージュを、ラング・パロールという2つの側面から捉える必要があると考えました。

 

 

ラングとパロール
  • ラング(langue):音声、語彙、文法規則などの言語体系
  • パロール(parole):個人の実際の発話行為

 

 

ラングとパロールについて説明します。

 

ラング(langue)とパロール(parole)

ラング

ラングは、共同体で共有されている音声、語彙、文法規則などの言語体系のことです。

日本語を話せる人は、日本語の音声・語彙・文法規則などを知っています。

例えば、「書く+ください」が「書くください」ではなく、「書いてください」と活用することも知っています。

こういった言語のルールは、共同体で共有されているといえます。

 

パロール

パロールは、個々人がその言語のルールに基づいて発話することです。

私たちは言語を使って生活しています。これは、日々、言語ルールを運用して発話しているといえます。

 

この個々人のその場、その場での発話をパロールといいます。

時に間違えたり、言いよどんだりすることもありますし、人によって癖など(例えば特定の語彙をよく使ったりすること)があったりもします。

 

チェスのたとえ

ソシュールはラングとパロールについて、チェスに例えています。

チェスのゲームというのは、ルールが決まっています。チェスができる人は、チェスのルールを知っています。

このルールは我々が生まれる前から既に存在していて、そのゲームのルールを変えることは容易ではありません。

言語も同じで、我々が生まれる前から存在していて、体系的な規則があり、私が「今日から『木』のことを『海』と呼ぶ」といったところで、容易に変えられることはできません。

このチェスのルールは「ラング」にあたるものです。

 

チェスを知っている人は、チェスのゲームをすることができます。

そのとき、そのときでどの駒をどう動かすかを決めるのは自分自身です。時に間違えることもあります。

この個々人の実際の使用は「パロール」にあたるものです。我々はルールに基づいて、言語を使っています。

 

まとめ

ソシュールのランガージュ、ラング、パロールについて簡単にですが説明しました。

↑一般言語学講義は和訳もいくつか出ています。