「さえ」と「すら」の違いについて

とりたて助詞の「さえ」も「すら」

この記事ではとりたて助詞の「さえ」も「すら」の違いについて紹介します。

 

「さえ」も「すら」も、以下のように、極端な例を出して、そのほかについても勿論そうだという気持ちを表します。

  1. 腰を痛めてしまって、起きることさえ/起きることすらできない。
  2. 最近、全然手書きで書かないので、簡単な漢字さえ/漢字すら書けない。
  3. 野球のルールは複雑で、プロの野球選手でさえ/プロの野球選手ですら知らないものもある。

 

①の文では、「起きること」という極端な例を出し、運動や散歩、買い物などそのほか諸々についてももちろんできないという気持ちを示しています。

②の文では「簡単な漢字」という極端な例を出し、難しい漢字についてはもちろん書けないという気持ちを表します。

③の文では、「プロの野球選手」という極端な例を出し、それ以外の普通の人は勿論知らないという気持ちを表します。

 

上記のように、「さえ」と「すら」は置き換え可能なことが多いですが、以下のような違いがあります。

 

①「すら」のほうが文語的

「すら」のほうが文語的な表現と言われます(参考:「どんなときどう使う 日本語表現文型辞典(電子版)」 16,  I-6)。

 

ちなみに、日本語教育では、「さえ」については中級レベルの教科書で扱われることが多いです。

また、2021年現在、日本語能力試験では、「さえ」は2級の文法、「すら」は1級の文法として出てきます(1級の方がレベルが上です)。

「さえ」のほうがよく使われ、汎用性があるという判断で、「さえ」が先にでてきているのだと思います。

 

デジタル大辞泉(アクセス日:2021年11月30日)によると、「すら」は上代に多く用いられており、中古以降は主に歌や漢文訓読文に使われる程度にすぎず、「だに」や「さへ」にとって代わられたそうです。

現代語では、「さえ」のほうが一般的で、「すら」の使用は少ないとありました。

 

②「さえ~ば」の形は「さえ」のみ

「さえ」は、「Aさえ~ば」の形で「Aという条件が満たされるなら~」の意味で使うこともできます。

「すら」にこの用法はありません。

 

  • このワークブックさえやっていれ、試験で落ちることはないだろう。
  • さえいれ、心から幸せだ。
  • 残業さえなけれ、この仕事は最高だと思う。

 

上記の文を「すら」にすると不自然に感じる人も多いと思います。

 

まとめ

「さえ」も「すら」の違いについて紹介しました。

どちらも置き換え可能なことが多いですが、以下のような違いがあるようです。

  • 「すら」のほうが文語的
  • 「さえ~ば」の形は「さえ」のみ

 

何かのお役に立てれば幸いです。