複合動詞とその検索ウェブサイトについて

複合動詞の参考文献

「飛び出す」「話し合う」など、日本語には2つの動詞が連結した複合動詞がたくさんあります。

複合動詞の研究では影山太郎が有名かと思います。

  • 影山太郎 (1993) 文法と語形成. ひつじ書房

 

  • 影山太郎編(2011) 複合動詞研究の最先端―謎の解明に向けて. ひつじ書房

 

複合動詞のウェブサイト

国立国語研究所の複合動詞レキシコンというサイトでは複合動詞を検索することができます。

 

このサイトで便利なのは、「前項動詞から検索」「後項動詞から検索」という検索ができることだと思います。

例えば、「〇〇出す」の複合動詞を調べたい場合、「後項動詞から検索」で「出す」を調べると、「〇〇出す」の動詞が出てきます。

 

「飛び〇〇」、「歩き〇〇」のように後に続く動詞がどんなものがありうるのかを調べたいときは、「前項動詞から検索」を使えます。

それ以外にも検索結果を自動詞・他動詞でフィルタもできますし、前項動詞と後項動詞の意味関係・機能に基づいて、語構造も提示しています。

 

このサイト自体に例文は少ないのですが、NINJAL-LWP for BCCWJというコーパスと連携しているので、そちらで例文を調べることができます。

上級の学習者だと語彙を増やす目的などでも使えるかと思いますし、教師も例を提示するときなどに使えそうです。

 

複合動詞の区別について

上記のサイトにも記載されていますが、複合動詞は2つに区別して考えることが多いようです。

  • 統合的複合動詞
  • 語彙的複合動詞

 

統語的複合動詞

統語的複合動詞は後項動詞が 前項動詞を補文にとる補文構造になっているものと言われています(影山 1993)。

どういうことかというと、この場合は前項動詞が後項動詞の主語や目的語になることができると考えていいと思います。

例えば、統語的複合動詞は「〇〇始める」「〇〇終わる」「〇〇続ける」「〇〇過ぎる」があります。

「食べ始める」の場合は「食べることを始める」、「食べ終わる」だと「食べることを終わる」と、「食べる」が「始める」「終わる」の目的語になっています。

この統語的複合動詞は生産性が高く、様々な言葉と結びつくことができます。例えば「勉強し始める」のように「する」動詞や、「歩かせ続ける」のように使役形の動詞を前項動詞に置くこともできます。

語彙的複合動詞

語彙的複合動詞は、統語上一語として存在するもの(影山 1993)と言われています。

どういうことかというと、統語的複合動詞のように前項動詞・後項動詞が主語・目的語の関係にあるのではなく、2つの動詞が合わさって、一つの語になっているようなものです。

例えば、「遊び暮らす」や「売り回る」のように「遊ぶ」+「暮らす」、「売る」+「回る」と2つの動詞が合わさって、一つの語となっています。

語彙的複合動詞は生産性はそれほど高くなく、「寝暮らす」「行き回る」などは言わず、使われる動詞は限られています。

といっても、すべての動詞をこの2つに明確に区別できるかというと、そうでもないらしく、なかなか奥が深いようです。

 

 

 



1 Trackback / Pingback

  1. 単純語と合成語(複合語・畳語・派生語)について – 旅する応用言語学

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*