紙媒体とコンピュータースクリーンでの読解理解度の違いを調べたMangen et al. (2013)を読みました

紙媒体で読んだときとコンピュータースクリーンで読んだときの違いについて調べたMangen et al. (2013)を読みました。

  • Mangen, Anne, Bente R. Walgermo, and Kolbjørn Brønnick. “Reading linear texts on paper versus computer screen: Effects on reading comprehension.” International Journal of Educational Research 58 (2013): 61-68.

こちらから全文無料で読めるようになっています。

ノルウェーのグレード10(15歳~16歳ぐらいのようです)の学生72名を対象に、2つのテキスト(説明文・ナラティブ文)を、コンピュータースクリーンでPDFファイルで読んだ場合と、紙媒体で読んだ場合の違いを調査していました。

結果だけいうと、紙媒体で読んだグループほうが、コンピューターで読んだグループより、読解テストの成績がよかったようです。先行研究でも同じ様な結果がでており、それを裏付ける結果となりました。

紙媒体のほうが成績のよかった理由として、以下のような可能性をあげていました。

  • コンピューターでのスクローリングなどによる負荷(紙媒体の場合は全体のテキストを見ることができたそうです)
  • 今回の調査での回答方法(回答はオンラインでの選択式問題だったのですが、コンピュータースクリーンの場合は2つの画面をスイッチしなければならず、負荷が高かった可能性があるとのことです)
  • コンピューターは浅く早くよむのに適しており、紙媒体は深く読むのに適しているという可能性
  • スクリーンの光での疲れ

Mangenは以下のような本も執筆しているようです。

  • Mangen, Anne. The Impact of Digital Technology on Immersive Fiction Reading: A Cognitive-Phenomenological Study. VDM Publishing, 2009.