日本語の動詞の分類のまとめ

この記事では日本語の動詞の様々な分類について、ごく簡単に紹介します。

もしご興味のある方は、各動詞の項目にあるリンクにアクセスください。

①子音語幹動詞・母音語幹動詞

子音語幹動詞・母音語幹動詞というのは、日本語の動詞を活用の観点から分類したものです。

  • 子音語幹動詞:語幹(活用しない部分)が子音で終わる動詞。子音動詞、五段活用動詞、u verbs、Group I verbs、グループ 1とも呼ばれる。
  • 母音語幹動詞:語幹(活用しない部分)が母音で終わる動詞。母音動詞、一段活用動詞、ru-verbs、Group II verbs、グループ2も呼ばれる。

 

【子音動詞の例】

  • 話す、聞く、読む、書く、遊ぶ、帰る

【母音動詞の例】

  • 教える、食べる、見る、見せる、着る、寝る

 

詳しくは「子音語幹動詞・母音語幹動詞(五段活用動詞・一段活用動詞、u-verbs・ru-verbs、Group I verbs・Group II verbs)の違いについて」をご覧ください。

 

②自動詞・他動詞

自動詞と他動詞は、それぞれの動詞がヲ格の目的語をとるかとらないかによって分けるやり方です(松岡他 2000, p. 96)

 

  • 自動詞:ヲ格の目的語をとらない動詞
  • 他動詞:ヲ格の目的語をとる動詞

 

【自動詞の例】

  • 寝る、起きる、泣く、閉まる、止まる、つく

【他動詞の例】

  • 食べる、見る、聞く、読む、閉める、止める、つける

 

詳しくは「日本語の自動詞と他動詞について」をご覧ください。

 

③意志動詞・無意志動詞

意志動詞と無意志動詞は、意志性の有無で動詞を区別するものです。

 

  • 意志動詞:人(主体)の意志でコントロールできるもの
  • 無意志動詞:人(主体)の意志でコントロールできないもの

 

【意志動詞の例】

  • 書く、聞く、読む、歩く、運転する、走る、飛ぶ、割る、叫ぶ、笑う、働く、泣く

【無意志動詞の例】

  • ある、割れる、乾く、閉まる、降る、続く

 

詳しくは「意志動詞と無意志動詞の違いについて」をご覧ください。

 

④状態動詞・動態動詞

状態動詞と動態動詞は、主にアスペクトの観点から、動詞をわけた分類法です。

  • 状態動詞:アスペクトを持たない動詞。状態性がある。
  • 動態動詞:アスペクトを持つ動詞。非状態的である。動作動詞・変化動詞に下位分類される。

 

【状態動詞の例】

  • ある、いる、できる、値する、要る

【動態動詞の例】

  • 走る、書く、聞く、飲む、着る、結婚する、解ける、死ぬ

 

詳しくは「状態動詞と動態動詞(動作動詞・変化動詞)について」をご覧ください。

 

 

⑤本動詞・補助動詞

本動詞と補助動詞は、動詞として本来の意味を保持しているかどうかという自立性の観点から分類したもので、以下のように区別されます(近藤・小森 2012. p. 202 & p.207)。

 

  • 本動詞:自立している動詞
  • 補助動詞:動詞の後に付いて意味を添える動詞

 

【本動詞の例】

  • 書く、聞く、読む、歩く、運転する、走る、飛ぶ、割る、叫ぶ、笑う、働く

【補助動詞の例】

  • ~ている、~てしまう、~てあげる、~てくれる、~ておく、~てみる、~ていく

 

詳しくは「本動詞と補助動詞の違いについて」をご覧ください。

 

 

⑥能動詞・所動詞

能動詞と所動詞は、三上章(1953)が提唱したもので、動詞を受身形を作ることができるか否かで分類したものです。

  • 能動詞:受身形になる動詞
  • 所動詞:受身形にならない動詞

 

【能動詞の例】

  • 食べる、見る、ほめる、聞く、しかる、建てる、泣く、死ぬ、逃げる、走る

【所動詞の例】

  • できる、見える、聴こえる、売れる、ある、要る、教わる、見つかる

 

詳しくは「能動詞と所動詞について」をご覧ください。

 

まとめ

以下の6つの分類について簡単にですが紹介しました。

  • 子音語幹動詞・母音語幹動詞
  • 自動詞・他動詞
  • 意志動詞・無意志動詞
  • 状態動詞・動態動詞
  • 本動詞・補助動詞
  • 能動詞・所動詞

動詞を様々な分類をみることで、日本語の特徴も見えておもしろいですね!