第二言語学習理論と教授法⑤:情報処理アプローチ

参考本

この前からの続きです。この本の第4章を読みました。以下の記載も主にp. 109-110を参考にしています(多少加筆しています)。

  • Lightbown, Patsy M., and Nina Spada. How Languages are Learned 4th edition. Oxford University Press, 2013.

↑この本は外国語教授法などのクラスでよく教科書として使われています。

和訳版もあります。

  • Lightbown, Patsy M., et al. 『言語はどのように学ばれるか』 白井恭弘 , 岡田雅子訳 , 東京:岩波書店
情報処理アプローチ

昨日の続きですが、情報処理の観点から第二言語習得をみたときに、以下のような要素があるそうです。

  • Declarative knowledge(宣言的知識):文法のルールなど我々が知っている知識
  • Procedural knowledge(手続的知識):その知識を運用する力

文法のルールを知っていても、言語を話せるとは限りません。この場合は、宣言的知識はあるけれど、手続的知識はないということになります。そして、手続的知識を日々使い続けると、それが自動化されていきます。

一度自動化されると、「英語で三人称単数現在のときには動詞にsをつける」など、いちいち宣言的知識を使うたびに思い出すことがなくなり、そもそもそういう宣言的知識を持っていたことすら忘れてしまうといっています。

また今まで学んできたことと矛盾するようなことがあった場合は、自分の中でルールなどの「再構成(restructuring)(McLaughlin 1990)」が行われます。

また「転移適切性処理(transfer-appropriate processing(TAP))」(Lightbrown 2008)というのもあります。これは、自分が習得した時ときと同じ状況だと情報を思い出しやすいというものだそうです。例えば、教室活動や教室での説明を通して学んだ知識は、教室活動と似たような状況で行われるテストなどでは思いだしやすいのですが、コミュニケーションの場では思いだしにくいといわれています。

 

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